元suzakuhogosyaの日記

旧京都市営朱雀乳児保育所の元保護者のブログ

錦林「父母の会」の説明会の事前公開質問書

京都市長様、保育課担当者様

「市営保育所の今後のあり方に関する基本方針(改訂版)案」
に対する公開質問書


日頃より、子供たちの為にご尽力いただきありがとうございます。
来る9月12日、錦林保育所保護者への説明会にあたって、
事前に質問書を送付させていただきます。
回答は、準備の為、説明会朝までに
文書にて返信いただきますようお願い申し上げます。

8月20日に基本方針(案)が出されてから、
10月中とされる方針決定までの日にちの短さは異常だと思います。
決定される前に、保護者に対する丁寧な説明を、何度も求めます。

納得のいく説明なきままの10月中の決定は受け入れられません。

期日までに錦林保育所父母の会宛に返答をお願いいたします。


林保育所父母の会




1.私たちは、私たちと十分に協議することなく発表された基本方針(改訂版)案に、反対します。
林保育所が民間へ移管するということは、これまでの錦林保育所は3年後になくなるということです。保育士もみな変わります。錦林保育所の歴史がここで終わります。

・その重要な決定を定めた基本方針(改訂版)案を、なぜ私たち(保護者や現場関係者)抜きに、私たちに何の説明もなく、定めたのですか?
・保護者から、民間に移管してほしい、という意見がありましたか?
・今回の民間への移管は、保護者や現場関係者のニーズに基づいたものですか?
 ・父母の会の意見を十分に尊重するつもりはありますか?
・今回の方針案については、お上の決定だからお上の意向に従え、ということですか?


2.私たちは、父母の会の承認をえないままでの民間移管の決定には、反対します。

・錦林保育所が移管対象となった理由を、保護者に納得いくかたちで、合理的に説明していただけますか?
 ・父母の会の意見を十分に尊重するつもりはありますか?
・父母の会の承認をえずに、このまま強引に民間への移管を進めていくつもりですか?


3.私たちは基本方針(改訂版)案の10月の決定には反対します。十分に保護者が納得するまでは決定すべきでないと考えます。

・8月20日に発表して、10月には決定するスケジュールと聞きました。なぜ案の発表からわずか二か月間で決定する予定なのですか?
・父母の会の意見を十分に尊重するつもりはありますか?
 ・保護者が十分に納得しなくても、この案を決定することはありますか?


4.私たちは、単なる市の財政負担の軽減としての保育所民営化には反対します。

・基本方針案では、民間移管によって生じた財源を活用し、子育て支援の更なる拡充を図ります、と書かれていますが、民間移管によるコスト削減分をどのように子育て支援の拡充に使うのかについて、金額の内訳示しつつ具体的に教えていただけますか?
・コスト削減分と少なくとも同額だけ、今後子育て支援の拡充にあてられる根拠をしめしてください。


5.私たちは、民間においても市営においても、障害のある子もない子も共に育つ保育所であることを希望します。民間保育所が市営保育所よりも障害のある子の受け入れを拒否する現状がある中(受入割合3.75%対10.48%)、市営保育所を減らすことには反対です。残された市営保育所の役割として、障害のある子の受入役割を明確化することも、一部保育所に障害のある子を固めることにつながるため、反対します。

 ・市は、障害のある子はごく一部の市営保育所に入れたらそれでいいとお考えですか?
・今後、もし市営保育所を減らすとしたら、民間の保育所における障害のある子の受入割合を向上させるために、市としてどのような取り組みをするのか、具体的に示しいただけますか?
・障害をもつ子が、障害のない子と同様に、障害のない子と共に保育を受けいれなくなるかもしれません。そうならないとお考えならば、そうならない根拠を教えていただけますか?


6.私たちは、錦林保育所を希望して、わが子たちを錦林保育所に通わせています。たとえ民間に移管されるとしても、私たちの意向に沿わない保育所が選定されることについては、私たちは反対します。

 ・移管先の保育所の選定にあたっては保護者たちの意見は十分に尊重されますか?
 ・移管先の保育所の選定にあたっては、保護者による評価も審査基準に入りますか?


7.私たちは、十分な検証なく次々と市営保育所を民間へ移管することに反対します。
すでに民間移管途中の前朱雀乳児園、前室町乳児園についても、いまだ市の保育士が残っている段階であり、検証評価ができる段階ではありません。本来ならば、この二園の共同保育が終了し、数年かけて検証し、よりよい民間移管方法などを模索するべきだと考えます。今のような乱暴なやり方で錦林保育所を移管する事を、決して受け入れることはできません。

・市は、入所する児童への影響や、保護者の意見に十分配慮しながら移管を進めようと考えていますか?
・これまで市としては、移管に係る検証をどのように行っているか教えていただけますか?
・すでにいくつかの市営保育所で移管は進行中です。今、移管にあたってどのような声が保護者や現場からあがっているか、具体的に教えていただけますか?


8.現在、市営保育所では、地域子育て支援拠点事業として、毎日園庭開放を実施しています。民間園での園庭開放は、だいたい週に1、2回程度ですので、民間移管後は、実施箇所、回数は確実に減少します。

・今後、地域の子育て支援の充実を図るとありますが、どのようなプランを考えていますか?

9.私たちは、民間の保育所を否定しているわけではありません。民間保育園では、保育士の勤続年数が短く給与が少ない上に、保育士不足のため、大変苦労して保育園運営が行われていると聞いています。

 ・今回、主として市営保育所の保育士の平均給与(人件費)が民間に比べて高いため、市営保育所の民間移管が行われようとしていますが、市としては市営保育所の保育士の給与が高すぎると思いますか?
 ・市は、市営保育所の保育士の給与が高い理由はどこにあると考えていますか?その理由は、コスト削減の根拠になりますか?
 ・今後、民間保育所の保育士の待遇を改善するために、市は具体的なプランやプログラムをお持ちですか?具体的に教えてください。


最後に、
京都市の保育・子育て支援が、政令指定市の中でも総じてトップクラスであることについては、私たち保護者も、本当に感謝しております。しかしだからこそ、京都市の保育については全国の模範たりつづけてほしいと考えます。市営の保育士の待遇がよすぎるのではなく、民間の保育士の待遇が十分でないのです。保育士の労働条件を公も民も同じレベルにし、保育内容の充実を図り、市営も民間も関係なく近くにある保育所、保育園に、どのような環境の子供も、どこでも通える環境を整えられたら、日本一の保育が受けられる自治体となると思います。コストが安いから、民営化という道をたどるより、京都市は、未来を担う子供達を大切に育てるために、お金はかかっても子育て支援に力を入れていく自治体であり続ける道を進む方が素敵だと思いませんか?

保育所に実際通っている私たちを置き去りにした議論は、理解もできないし受け入れることはできません。私たちは、頭から移管に反対というわけでもありません。移管するならば、丁寧に、丁寧に、時間をかけながら、私たちが不安に思わないような準備をしたうえで行って欲しいということです。反論の余地もほとんど許さず、まるで逃げるように、計画を進行することは許せません。心のこもった、かつ具体的な対応をしていただきたいと思います。

平成26年9月9日
林保育所父母の会