元suzakuhogosyaの日記

旧京都市営朱雀乳児保育所の元保護者のブログ

20150319(毎日新聞)江口尚志・子育て支援政策監インタビュー記事 「京都市政策責任者に聞く 「民」活用し水準高める」

【メモ】
育みは今:保育所民営化を考える 京都市政策責任者に聞く 「民」活用し水準高める /京都

 京都市が進める市営保育所の民営化計画について連載企画「育みは今 保育所民営化を考える」で、3月4日から5回にわたり取り上げた。これを受け、市の子育て政策の最高責任者、江口尚志・子育て支援政策監が18日、毎日新聞の取材に応じた。江口政策監は、当初予定の5カ所に加え、更に6カ所の民営化計画を策定したことについて「今後も社会保障子育て支援のニーズは増大する。『民でできることは民で』との方針に基づき、市営保育所も一定の効率化を図り、財源を確保しなくてはいけない。市営、民間にかかわらず市全体で保育水準を高めていきたい」と説明し、理解を求めた。民営化の対象となりながら3年間、移管先が決まっていない船岡乳児保育所(北区)については「個人的な意見」とした上で、「今の状況のまま新年度も公募をかけるのは難しい」と述べ、計画見直しに含みをもたせた。【野口由紀、藤田文亮】

 主なやりとりは以下の通り。
   なぜ民営化なのですか。
 1年半の議論を経た2011年12月の社会福祉審議会分科会の最終意見で、子育て支援ニーズが増大する中、財源を生み出すため、すべてを市営保育所でやる必要はないと提言を受けた。市も「民でできることは民で」との方針であり、その後、民営化を進めている。
   市営保育所に通う子どもたちに民営化はどんなメリットが。
 昨年4月に京都市認可保育所に入った約2万9000人の子どもの9割が民間に在籍している。公・民ともに全体の保育の水準を高めたい。民営化園では引き継ぎをしっかりし、子どもへの影響を少なくし、保護者の不安を払拭(ふっしょく)していく。(民営化園にいる)個々の子どものメリットというよりも全体的なものを考えなければいけない。民営化で運営費を効率化できる。民間でも障害児への職員配置基準を変えるなど底上げしてきた。地域にある身近な希望園に入れるのが今後のあるべき姿。「入所しやすい」保育行政を進めたい。
   民営化で影響を受ける子どもはいるはず。市が目指す「子育て環境日本一」にはならないのでは。
 矛盾はしない。昨年4月1日現在で「待機児童ゼロ」を達成し、就学前児童の保育所入所割合は43・5%に達した。それだけ入りやすい環境を整備してきた。
   民営化推進は民意を反映していないとの批判がある。市のパブリックコメント(市民意見の募集)でも否定的な意見が多かった。
 審議会で1年半も議論していただいた。市長も「民間にできるものは民間」と常々話している。市民意見の募集をしても方針まで変えることはない。取り入れることは取り入れていく。財政状況は厳しく、最少の経費で最大の効果を上げることが行政に求められる。
   市営と民間で異なる障害児への職員の配置基準を統一化していく方針だが、保育士不足の中、人材を確保できるのか。
 京都市は保育士を養成する大学も多く、恵まれている。保育人材サポートセンターを開設し、就職フェアも実施している。資格があっても就労していない潜在保育士もうまくマッチングしていきたい。
    他の政令市に比べ市営の割合が少ないのに維持できないのは、市の保育行政の力不足では。
 そうでしょうか? 京都市はたくさん保育所を作り、就学前児童の入所割合が政令市で2番目に高く、入所しやすい状況にしている。
   民営化対象の船岡乳児保育所。連載で「12 13年度に1件も応募がなかった」と紹介しましたが。
 申請がゼロだったわけではない。12年度に1カ所、13年度に2カ所が申請してきたが、話し合いの中で取り下げた。就学前までの6年間を見通した保育が条件だったため、3歳児以降の受け入れ先を確保することが難しいという理由だった。今後については、個人的には別の手立てを考えないといけないと考えている。今の状況のまま再公募するのは難しい。
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2015年03月19日 00時00分