元suzakuhogosyaの日記

旧京都市営朱雀乳児保育所の元保護者のブログ

基本方針改定版策定に対する市営保護者会連絡会の抗議声明

10月30日、京都市は保護者への説明・応答責任を果たさないまま民営化方針を策定しました。市営保育所の保護者会連絡会からの抗議声明を掲載します。

市営保育所の今後のあり方に関する基本方針(改定版)
http://www.city.kyoto.lg.jp/hokenfukushi/cmsfiles/contents/0000174/174519/kaiteiban.pdf
パブリックコメント結果
http://www.city.kyoto.lg.jp/templates/pubcomment/hokenfukushi/0000171816.html


2014年10月31日
保護者・市民の声を無視した保育所民営化方針策定への抗議声明 
 
京都市保育所保護者会連絡会


 さる10月30日、京都市は「市営保育所の今後のあり方に関する基本方針(改定版)」を公表しました。案の公表よりわずか2ヶ月後の策定でした。
 改定版案では、前回の基本方針(2012年策定)がそもそもの5年スパンの計画だったものを2年も前倒しし、十分な根拠を示すことなく、さらに6カ所の市営保育所を民間移管する方針が示されていました。審議機関に諮ることもなく突然発表されたこの改定版案は、市の裁量権の濫用すら予想されるものでした。
 私たち京都市保育所保護者会連絡会は、この改定版策定について、以下の理由から抗議いたします。
 まず、京都市は保護者に対する説明責任・応答責任を果たしていません。当初一度だけとされていた策定前の移管対象保育所の保護者説明会は、京都市の説明が不十分かつ不適切だったため、再度開催されることになりました。2度目の説明会でも十分な説明がなされなかったので、保護者から誠実な説明と話し合いを求める声が出ていました。その声を無視して結論ありき、スケジュールありきで改定版が策定がなされたことに抗議します。
 次に、今回の改定に対し、私たちが呼びかけた「市営保育所の拙速な民営化の見直しを求める緊急署名」には、わずか10日間で14,197筆が集まりました。このうち約6,000筆の署名が民間保育園から送られてきました。民間保育園の方々の多くも、今回の拙速な民営化、保育予算の軽視は、京都市の保育行政全体の危機であると強く受け止められたからです。また、この改定版案へのパブリックコメントには、2,043人の応募者があり、2,679件の意見が寄せられました。これは「基本方針」策定時に寄せられた意見のおよそ7倍です。今回の改定版にはそれだけ注目されています。最も多かった「民間への移管に関すること」は1851件で、そのうち肯定的意見が20件、否定的・慎重意見が1831件でした。実に99%の移管への否定的・慎重意見を京都市は無視し、改定版に反映させませんでした。いったい何のためのパブリックコメントなのでしょうか。一方で市民に意見を求めながら、寄せられた多数意見を無視する京都市の姿勢に抗議します。
 私たちは、今回の改定の問題点(前倒して改定する必然性がないこと、これまでの移管後の園への検証がないこと、移管対象保育所の選定に理由がないこと、保育経験のない法人への移管に対する保護者の不安、在園期間中の移管の違法性・子どもと保護者の権利侵害、民間園の「低コスト」を良しとする姿勢、など)が改善がなされないかぎりは、今後も移管の凍結または抜本的な見直しを求め続けます。
 保育所の民営化というのは、一つの保育所を廃園にするということです。保育士も、保育所運営主体も、一切入れ替わるわけです。これまで培われた豊かな保育実践の経験も、子どもたちと保護者、保育士の間の信頼関係も、一方的に断ち切られるということです。その際の、子どもたちと保護者、保育士の心の痛み、喪失感、そして移管に係る過度の負担を、京都市は想像してください。
 あらためて京都市は説明責任・応答責任を果たし、保護者・市民の多数の声を保育施策に反映してください。
 これ以上、子どもたちに財政難のしわ寄せを押しつけないでください。

以上