元suzakuhogosyaの日記

旧京都市営朱雀乳児保育所の元保護者のブログ

2014/10/1市保連声明 「市営保育所民間移管の方針に反対し、白紙撤回することを求めます」

京都市内75の保育園/所が所属する市保連(京都市保育園保護者会連合協議会)から「市営保育所民間移管の方針に反対し、白紙撤回することを求めます」という声明が出されました。民間保育園の保護者会が多数のの市保連から声明をいただけて感謝します。
http://www.shihoren.net/

以下、声明全文

声明

市営保育所民間移管の方針に反対し、白紙撤回することを求めます

私たち京都市保育園保護者会連合協議会は、児童の福祉を促進するため、全市の保護者が力
を合わせ、保育園の向上発展と相互の親睦を図ることを目的として設立された団体です。現在
京都市内の75ヶ園が所属しています。
京都市は、8月20日に『市営保育所の今後のあり方に関する基本方針(改定版)案』(以下『あ
り方(改定)案』)を発表しました。この『あり方(改定)案』の突然の発表にたいして、市営
保育所の保護者や保育関係者から驚きと抗議の声が上がっています。ある保護者会では保護者
の 8 割からのアンケートを集め、民間移管にたいして 99%が「不安」、99%が「反対」と答えて
います。
この『あり方(改定)案』にたいして以下の点で私たちの考えを述べたいと思います。
一つ目に、京都市のやり方が極めて強引であることです。8月20日に、いきなり対象保育所
の名前まで発表し、パブリックコメントを募集し、わずか 2 ヶ月後の10月中には決定するとい
う短期間になっています。説明会での説明も不十分かつ一方的なもので、保護者がとても理解
も納得もできるものではなく、そのやり直しが強く求められています。
二つ目に、保育の質を引き下げることにつながる懸念が強いことです。『あり方(改定)案』
では「市営保育所は民間保育園と比べて高コストとなっている」と述べていますが、京都市
認めているように障害のある子どもや虐待を受けた子どもに対して積極的な対応ができている
市営保育所は、保育士の手厚い配置等が行われているからこそ丁寧な対応と受け入れが可能に
なっているのではないでしょうか。この配置が「高コスト」として民間移管を進めれば、障害
のある子どもなどの保育の保障を奪いかねません。民間移管ではなく民間保育園の引き上げこ
そ必要です。民間保育園は「低コストのままで良い」という京都市の姿勢は断じて許されませ
ん。
三つ目に、いま進められている民間移管にたいして何らの検証もされていないことです。『あ
り方(改定)案』では、新たに 6 カ所の市営保育所を民間移管するとなっていますが、2014 年
4 月に民間移管した 2 園においても、保護者や保育関係者からの反対や慎重の声が出されてきま
した。移管後に子どもたちへの影響等がどのようになっているのか、何一つ検証がされていま
せん。新たな民間移管を推し進める前に、移管後の影響を丁寧に調査・検証をおこなうべきで
す。
京都市にはもともと市営保育所が少なく、右京区(京北地域除く)や西京区には市営保育所
は一つもありません。「高コスト」を名目にして保育に対する公的責任を後退させるのではなく、
拡充していくことこそ必要です。
私たちは、今回の『あり方(改定)案』に強く反対し、白紙撤回を求めます。

2014 年 10 月 1 日
京都市保育園保護者会連合協議会
会長 森田 洋