元suzakuhogosyaの日記

旧京都市営朱雀乳児保育所の元保護者のブログ

9/15のデモで配ったビラ

9/15「ほんまもん日本一の保育・学童保育ががええねんアピールパレード」というデモで配ったビラのテキストです。

(表)===

市営保育所民営化反対!

京都市は、5年間で6つの市営保育所の運営を民間に移管(民営化)する方針案を出しました。
私たちは、おもに以下の理由からこの方針案に反対します。

第1に、保育士の平均勤続年数が短く(若い)コストの低い民間の方が良いという民間移管の理由の問題です。給与体系が同じならば保育士は早くやめる方が良いというのは、民間の保育士だけでなく保育そのものをバカにしていると思います。

 第2に、障害やアレルギーのある子や被虐待児など、特別に支援が必要な子どもをなかなか受け入れられない現状の民間保育園が「普通」で、市営は「特別」だとしていることです。今の市営が果たしている「役割」を部分的に機能強化して、各区に1つだけ専門的な保育施設として残すとあります。これでは民間も市営もどちらも「どんな子もわけへだてなく地域でいっしょに育つことができるユニバーサルな保育所」ではなくなります。市営でやっていることを民間でもできるようにすることが本来の公民格差の是正ではないでしょうか。障害児に対する保育士を配置基準の格差をなくさなければ、移管によって現在入所している障害のある子の保育の質は低下することになります。

 第3に、私立幼稚園の「認定こども園」化を促進・支援するために、移管先法人の応募条件を緩和したことです。これまでは「すでに認可保育園を運営している社会福祉法人など」だけでしたが、これからは「私立幼稚園を運営している学校法人など」も応募できるとあります。これまでは、まがりなりにも移管先選定等委員会や選定部会が、市営保育所の保育の質を継続できるかどうか「保育内容」などを視察して評価していましたが、これでは保育をまったくしていない法人にも移管できるということになります。保育内容の軽視はゆるせません。

 第4に、京都市は、移管後、子どもたちがとても不安定な状態に置かれても、いっさいフォローも検証もせず放置していることです。この春に移管した2つの保育園では、数ヶ月に何人も保育士さんが退職されています。それぞれのご事情もあると思いますが、異なる保育観や保育実践をすり合わせ引き継いでいく難しさもあったと思います。通常でも新年度の時期は不安定になります。その時そばにいてくれるはずの保育士が次々にいなくなる状態は異常で、引き継ぎ以前の話です。それなのに、京都市はこのような状況についての報告も調査も検証もしていません。
このまま「さらなる民間移管」を進めることはとても危険です。

私たちはこの方針案の白紙撤回を求めます。


市営保育所保護者有志


(裏)===

京都市は9/25まで方針案のパブリックコメントを募集中です。ぜひお名前を書いて市営保育所や市役所などの意見箱に入れてください。

「市営保育所の今後のあり方に関する基本方針(改訂版)案」に対する意見

「市営保育所の民間移管」という名の保育所/保育園つぶしに抗議します。
京都市は市営保育所の大幅な削減と縮小を「基本方針」として発表しました。私はこの方針に全面的に反対します。
市営保育所を民間に移管する理由として、京都市は「人件費削減」を挙げました。民間保育園への補助金が充分ではない現状で、「人件費削減のための民営化」で保育の現場が良くならないことは明らかです。私はこの方針に全面的に反対します。

京都市の市営保育所では、障害をもつ子とそうでない子が同じクラスで育つための保育士の加配置や専門性、アレルギーや離乳食にきめ細かく対応した給食、手作りのおやつ、乳児だけの保育を丁寧にすすめてきた乳児保育所など、公立の役割を果たすために永年にわたって多くの努力が結実した現場になってきました。その個別の内容は、けっして「特別なこと」ではなく、すべての子どもたちが基本的人権を守られるための育児への社会的責任として当然の営みだと思います。「人件費削減」という理屈で、削減してはならない重要な内容をもつこれらの保育所を壊すことに全面的に反対します。

私は民間保育園を安易に批判したり、市営の「特権」をまもろうとしているわけではありません。公立の役割は、「特別な子ども」だけを対象に何かをするのではなく、すべての子どもたちが基本的人権を守られる場を作りつづけることです。なぜ、その責任を放棄することが許されるのでしょうか。
卵一パック、牛乳一本買っても毎日払わなければいけない高い税金はどこに使われるのでしょうか。もしも「税金を福祉に使う」と言うのであれば、民間保育園や無認可保育園への補助金を上げることこそ必要なことで、市営を民営化して人件費を削減し、保育の場をこれ以上息苦しいものにするのはただの弱いものいじめに過ぎません。京都市のような大都市で保育所運営が財政を圧迫することはあり得ないはずです。

市営保育所ではたくさんの経験豊かな保育士さんや調理師さんたちが働いています。彼女ら彼らの待遇が高すぎると思うなら、保育所で共に働いてみてください。どれほどの質量の仕事を担っているのかを。あるいは、民間の職員がそんなに「安くつく」のなら、本当にそれでいいのでしょうか。また、公立の保育所でも権利の守られない非正規職員がたくさん働いているのです。民間移管ののちに、市営保育所から何百人が職場を失うのでしょうか。行政の都合による一方的な人員整理は許されません。私はこの「基本方針」に全面的に反対します。

保育所/保育園は、「親の仕事のために預けられたかわいそうな子どもがいる場所」ではなく、保育という言葉の枠を越えた「広く深く子育てを支える場所」であることを訴えます。私はその場を、親として、子として、職員として、近所に住むおとなとして、小学生中学生以上の未成年として、誰もがそこにあることを大切に思ってきました。いつも、何かの役割において、保育所/保育園は地域の中で欠くことのできない場所でありつづけています。
「当たり前の福祉」はいつも手の届く場所になければなりません。私はそういう町に暮らしていきたいと思います。

京都市が発表した「民間移管の基本方針」に全面的に反対します。
市営保育所の担ってきた普遍的な役割を無視した「基本方針」を撤回するよう求めます。
同時にすべての民間保育園/無認可保育園へのさらなる負担軽減措置を実施するよう要求します。

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