元suzakuhogosyaの日記

旧京都市営朱雀乳児保育所の元保護者のブログ

民営化の中止を求める署名提出時の保育課とのやりとり

京都市保育所の民営化の中止を求める署名提出時の保育課とのやりとり。
京都こども未来ネットのニュースでも発信されるようです。
http://www.facebook.com/#!/kyotokodomo.mirai.net/posts/472700782789172より

提出日 2013年1月17日(木)午後6時半〜
場所 烏丸御池 明治安田生命井門ビル 7階会議室
出席 <京都市 保育課>百瀬公営保育所担当課長/郄松保育担当課長/坂本担当課長補佐
<京都こども未来ネット>9人
提出署名筆数 3799筆

主なやりとり(話の順番は若干前後しています)
<未来ネット>
 選定等委員会の資料、記録について保護者には配布してほしい。資料は傍聴に行ったらもらえるが、日中の開催では保護者は行けない。ホームページから全部ダウンロードするのも量が多すぎて大変。また、選定等委員会の開催についてもホームページでは発表されるが、保護者への周知はあまりされていない。選定等委員会の摘録がアップされるのも遅い。傍聴に行っていないと議論内容がわからない。次の委員会が始まっても、前回の摘録が見られないというのはおかしい。透明性の確保という点で問題。
<未来ネット>
 保護者説明会も、1回だけというのではなく、時間差で開催するなど、多くの保護者が参加できるようにすべき。
<未来ネット>
 12月に子ども未来ネットが室町乳児保育所門前で宣伝をした時に、保護者説明会の時間帯について「仕事の都合で参加できない時間。何もいうこともできずに、このまますすめられるのか。」と話していた保護者がいた。また、一時保育を利用している保護者は、「民間移管について、全く聞いていない。どうなるのか。」と不安の声があった。保護者への説明については、時間や回数など考えて実施してほしい。
<保育課>
 摘録はテープ起こしの作業に時間がかかり、遅くなってしまった。もう少し早く摘録を掲載すべきだったとは思う。
 しかし、全体としてすすめ方に「透明性を欠く」とは思っていない。資料を保護者全員に配るべきとまでは思わない。
<未来ネット>
 12月27日に開催された室町乳児の保護者説明会は何人参加したのか。
<保育課>
 20数名の参加だった。
<未来ネット>
 欠席者への説明、フォローをきちんとやってほしい。
 説明会に参加した保護者数人から感想を聞いているので、紹介する。
 「選定委員全員が賛成しているわけでもないところに決まったのは、納得いかない」「うちの子は、他の子に比べたら『ゆっくり』しているが、室町乳児では丁寧にかかわってもらえた。保育所がかわり、変わっていくことがとても心配」「仮に民営化するのであっても、新しい園と保護者との話し合いの場を設けてほしい」「保護者への説明会がある度に話が進んでいて、保護者が訴えてきたことが全く考慮されていないと感じている」等々、保護者は不安と不満で一杯。
<未来ネット>
 室町乳児の移管先となった「熊千代会」が運営している「上野こぐま保育園」については、実地審査に同行した保護者は「まったく保育の内容が違う」と感想を言っている。例えば、食事の時、乳児をテーブルの片側に並んで椅子にすわらせ、保育士が順番に子どもの口に食事を運んでいるというやりかたの食事風景だった。かと思うと、幼児については、英語など習い事に熱心というところで、市営保育所の保育の内容とは全く正反対のようなところ。そういうところに決まったということに不信を抱く。
<未来ネット>
 室町乳児は、戦前から全国に先駆けて乳児保育にとりくんだところ。そのような京都市の財産をなくさないでほしい。仮に民営化するとしても、今回の移管は乱暴。中止してほしい。
<未来ネット>
 室町乳児の移管予定先法人の「熊千代会」は、26年4月に中京区の全日空ホテルの近くに新しく新園をつくるということだが、定員何人か。
<保育課> 
 定員90人の保育園になる
<未来ネット>
 移管先に手をあげた2法人が、「6年間見通した保育」という条件がクリアできなかったことで、門前払いになっている。一方、「熊千代会」は、室町乳児と朱雀乳児の両方に応募しているが、同時に2つの園の移管を引き受けて、なおかつ「6年間を見通した保育」を示せたのか。両乳児保育園からの園児を引き受けるキャパがあると判断されたのか。
<保育課>
 「熊千代会」については、書類で「6年間を見通した保育」がきちんと示された。
<未来ネット>
 室町乳児と朱雀乳児の両方を引き受けても大丈夫な計画が示されたのか。
<保育課>
 両園を同時に対象としたものではなく、それぞれの園を対象とした計画が出され、それで審査した。
<未来ネット>
 2箇所に同時に申し込んだということは、2箇所ともに選定されることも想定しているということではないのか。京都市として、2箇所とも選定になった時のことは想定していなかったのか。
<保育課>
 「熊千代会」にヒヤリングはした。
<未来ネット>
 審査対象外とされた2法人については、京都市は現場にも出向き、プレゼンも行なっていたはず。審査していたのではないのか。
<保育課>
 先ほど、2法人を門前払いしたと言われたが、後から考えると、2法人には失礼なやり方だったとは思う。「6年間見通した保育の実現」が乳児保育所の民間移管にあたって、一番の条件であり、そのことは公募の際にもかなり強調していたわけで、本来であれば、最初にその条件がクリアできていないことで、お断りすべきだったのかもしれない。ただ、その2法人との協議していく中で「6年間見通した保育」という条件をクリアするものが示されるかもしれない、そうなったら審査対象にするという思いで協議をすすめてきた。結果的にはその条件が示されず、審査対象外とせざるを得なかった。その2法人については、最終的な審査点数は出していない。
<未来ネット>
 現地調査も行なっているはず。その記録はあるはず。内容は公開されないのか。委員会で非公開とされた審議について、情報公開を求めても認めないのか。
<保育課>
 今、答えられない。
<未来ネット>
 「熊千代会」は大阪でも保育園を運営しているが、そこは駅前のビルの3階のテナントでの保育。京都でも、そういう保育所を導入しようというつもりがあるのか。また、南区の移管予定保育所決定をみると、定員が少ないところからされているように思えるが、今後社会福祉法人等でない、例えば株式会社等の参入を考えたりはしていないのか。
<保育課>
 京都市では、営利法人の保育所運営は認めていない。
<未来ネット>
 室町乳児及び朱雀乳児と、それぞれの移管先予定となった法人との関係については、本園−分園ではなく、第一園−第二園という関係になると聞いている。しかしそうなると、「6年間見通した保育」という視点から考えるとよくわからない。第一園、第二園という関係であれば本来独立した園として、それぞれが独立して入所の申し込みをうけ、管轄の福祉事務所がそれぞれで入所者を決定するということになるのではないのか。仮に、中京に新しく作られる新園及び現「月かげ保育園」を第一園、現乳児保育所を第二園とした場合、第二園を卒業した園児について、第一園に入所しようと思えば新規の入所申し込みを行うのが現行のやり方だ。しかし、そうなると「6年間見通した保育」を実現したとはとても言えない。となると、新規に申し込みをしなくても、あるいは申込はしたとしても無条件に入所決定されるということになるのか。第二園からの移行児以外で、より保育の必要性が高い子がいたとしても選考なしで入所がきまるのか。それは、これまでの保育所入所ルールとちがうルールを持ち込むことになると思うが。
<保育課>
 第二園から第一園への移行児の入所申込や決定のしかたについては、検討しているところ。
<未来ネット>
 ということは、現時点で、乳児保育所の卒園児をどのような形で移管先法人がひきうけるのか決まっていないということだ。それで、移管の大前提とされた「6年間見通した保育」を確認できたといえるのか。
<保育課>
 受け入れ枠としては、移行児全員を受け入れられる3歳児枠を予定しているので、「6年間見通した保育」を確認できるといえる。
<未来ネット>
 単に枠を用意したということであれば、そもそも乳児保育所を民間移管しなくてもできることではないのか。
またもし、これまでのルールを変えて第二園の移行児はそのまま第一園にいうやり方に変えると、確かに「6年間見通した保育」ということはできるかもしれないが、第一園と第二園が離れているという問題もあり、「必ず第一園に移行する」ということが保護者にとっては、負担や不利益になる可能性もある。「近いところがいい」と3歳児に別の保育園を希望した場合、(自己都合での転園希望ということで)簡単には、認められないのではないか。結局、移行にあたっての入所決定の方法については、どのような形にするにしても問題が生じてくると思われる。
<未来ネット>
 障害児加配について、公立と民間では異なっており、民間移管された場合、今の保育環境が継続されるかどうかがとても心配。選定等委員会のなかでも、障害児加配の官民の違いについて委員からも指摘されていたが、保育課は「それは課題として認識しているが、その改善と民間移管の話は別で進めていく」と言った。しかし、今いる子どもにとっては、その子の環境がどうなるのかが大問題。「別の問題」で片づけられたら困る。できないのなら、条件が整うまでスケジュールを延ばすべきではないか。少なくとも、今在園している子がいる間は、移管しても今の体制をそのまま継続してもらわないと困る。
<未来ネット>
 加配については、金銭補助という方法と人員保障という方法で全く違うということも認識すべき。加配についての見直しは検討しているということなのか。
<保育課>
 検討している。
<未来ネット>
 民間と公立の差があるまま、条件整備ができていない中での見切り発車でいいのか。委員からもスケジュールがタイトすぎるとの意見があったはず。
<未来ネット>
 京都市の方針では、保護者説明会は複数回開き、十分な説明をするとされている。保護者の質問にきちんとこたえてほしい。
<未来ネット>
 来年度以降入所する子の保護者については、「民間移管を了解して入所している」と言われるが、すべてを納得して入所するわけではない。例えば、今在園している子がいる間は、「保育を変えない。指導する。」と言われているが、もし仮にそれができたとしても、その「変えない保育」の対象となるのは、今いる子だけでなく、その時に在園している全ての子。となると、「当面変えない」としても「変わる」時に在園してその影響をうける子や保護者が存在してしまう。まだ、保育の質・内容がある程度似ていて、「変わる程度」がわずかであればそれほど負担もないかもしれないが、今回選定されたのは、あまりにも保育の内容が市営保育所と違うところ。これから入所する子や保護者のことについても配慮して考えていってほしい。

(以上)