元suzakuhogosyaの日記

旧京都市営朱雀乳児保育所の元保護者のブログ

第4回選定委員会での保護者意見

参考:第4回京都市保育所移管先選定等委員会摘録
http://www.city.kyoto.lg.jp/hokenfukushi/cmsfiles/contents/0000126/126416/dai4kai-tekiroku.pdf

●「選定基準案」等に関する保護者の意見案

1.「選定基準案」等に関する保護者意見の聴取について
保護者意見の聴取の日程があまりに拙速です。8月2日夕方に朱雀乳児保育所で「選定基準案」の説明会があり、6日の午前中には配付資料のしめきり、本日の意見聴取までに提示された「選定基準案」についてきちんと保護者間で意見を集約するには時間が足りません。説明会も不十分で、書面審査と実地審査の項目と基準など大部分の説明が割愛されたにもかかわらず、説明は終わったものとして意見を聴取されるのは遺憾です。形式的に保護者説明会と意見聴取をおこなえばよいというものではないと思います。意見陳述も10分間では短すぎます。本当によりよい選定基準等の審議のためには今後もっと時間をかけるべきではないでしょうか。

また、保護者意見の扱いがひどすぎます。前回の意見聴取では私たちは移管対象「候補」保育所の保護者として、「朱雀乳児保育所を移管対象にしないでください」という意見を述べました。本日の意見聴取の前に移管対象保育所の選定があるようですが、進行スケジュールでは開会5分後には意見聴取開始とあります。いつどのように移管対象の選定について審議されたのでしょうか。審議するまでもなく移管対象の選定をするのであれば、前回はいったい何のために意見聴取をおこなったのでしょうか。このような扱いを受けて、それでもよりよい「選定基準」等の審議のために意見聴取にのぞむ保護者の気持ちを、委員のみなさまにはどうか汲み取っていただきたいと思います。

2.引き継ぎ・共同保育について
引き継ぎ後の共同保育の期間が、保護者意見を取り入れて以前の案より延長されたことは評価します。引き継ぎ(2013.4/1〜2013.12/31)と移管までの共同保育(2014.1/1〜3/31)での移管先法人の職員さんが「いつ、誰が、何時間、どのように」参加されたかを記録してほしいです。また、その職員さんの移管後の役割(正規・非正規、担任かどうかなど)を公開してほしいです。移管後の共同保育では、現在の保育士さんが各クラス1人以上は参加してほしいです。また、その派遣にかかる財政負担などは、三者協議会での協議事項となるにしても、市の財政に関わることでもあり、共同保育期間中の保育の責任は市にあることをあらかじめ明記していただきたいです。

3.職員の均等待遇などおよびについて
現在勤務されている「臨時的任用職員」さんが移管後も引き続き勤務できるよう、現状と同じかそれ以上の条件(労基法1条2項)での雇用となるよう明記してほしいです。一人でも多く継続雇用されることが、子どもたちにとって「継続性」を象徴することになりますし、非正規職員の均等待遇を明記することは、「民間移管か否か」でない、よりよい民間移管のためには欠かせない選定基準です。
さらに、「公共サービス基本法」第11条でも「国及び地方公共団体は、安全かつ良好な公共サービスが適正かつ確実に実施されるようにするため、公共サービスの実施に従事する者の適正な労働条件の確保その他の労働環境の整備に関し必要な施策を講ずるよう努めるものとする」という規定もあります。したがって、あらたに朱雀乳児保育所の移管後の保育を担う職員全員の適正な労働条件の確保その他の労働環境の整備に関しても、応募してくる法人に対してあらかじめ基準を明確に記載すべきです。ここをクリアにすることなしには、「たんに人件費削減のための民間移管にすぎないのでは」、という保護者の疑いは晴らされないでしょう。

4.移管後の運営の条件について
○障がい児保育の現行の市営の基準から民間の基準に切り下げることに絶対反対します。障がいを持たない子どもにとってはこれまでと変わらない「保育の質」が、障がいのある子にとってだけ切り下げられるのは差別ではありませんか?今現在障がいを持っていなくても、いつ事故や病気で障がいを持つことになるかわかりません。けっきょくは朱雀乳児の子どもたち全員にとっても「保育の質」が切り下げられることになります。障がい児保育もこれまでと変わらないことを明記してください。
○自園給食(月〜土)の明記は評価します。しかし、自園給食でも自園の職員でおこなうこと、業務委託などではないこと、朱雀乳児保育所内の調理室で調理されることなども選定基準に明記してほしいです。
○意向調査での民間園の意見で「2歳児から3歳児クラスに移行する際にすべての人数を受け入れきれないかもしれない」というものがあったが、すべて受け入れ可能な定員枠についてはすべて受け入れられることを選定基準として記載してほしいです。

5.選定プロセスの情報公開について
移管先の選定プロセスについては、審査も審議もすべての情報を速やかに公開してほしいです。先日の説明会では、基本は公開だが、まだ公開する・しない、公開するとしてもどこまで公開するか、考えていないということでしたが、せっかくよりよい選定基準等を作っても、本当に基準にそった選定なのかどうか、情報がなければ判断できません。必ず情報公開をしてください。

6.選定基準等に「保護者の同意を得ること」を明記してください
民間園への実地審査に保護者も参加できるようにするなど、保護者も選定プロセスに参画できるようにしてください。これまで保護者は一度も民間移管についての協議・話し合いをさせてもらっていません。せめて「保護者の同意なく移管先の決定をしないこと」を約束してください。同意のないままで移管を決めても、三者協議会などでおこなう引き継ぎや共同保育のあり方などの協議は、保護者からの不信・不満の表明からのスタートとなるでしょう。
保育所の選択は子どもと保護者の権利であり、京都市は保育を子どもと保護者に対して保育を行う義務があります。入所直後に移管のことを聞き困惑している保護者にとって、在園途中での民間移管はいわば「契約違反」で、子どもと保護者の権利の侵害になります(別紙資料「横浜市立保育園廃止処分取消請求事件(神奈川県横浜市最高裁判決文全文」参照のこと)。
保護者の十分な納得と同意なく移管先の選定をしないでください。よろしくお願いします。