元suzakuhogosyaの日記

旧京都市営朱雀乳児保育所の元保護者のブログ

「配慮を要する子ども」の実情把握のためのアンケートについての要望書

2012年11月15日
京都市保育所移管先選定等委員会
2012年12月25日現在、まったく無視され続けている要望書です。
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委員 各位 及び 事務局 御中

朱雀乳児保育所保護者会
室町乳児保育所保護者会
船岡乳児保育所保護者会
九条保育所保護者会
京都市保育所保護者会連絡会

「配慮を要する子ども」の実情把握のためのアンケートについての要望書

京都市保育所移管先選定等委員会(以下、委員会)の委員のみなさま、および事務局のみなさまにおかれましては、公正で誠実な審議にご尽力されておられることと存じます。
 
 私たちは市営保育所の保護者の立場から、アレルギーの子どもや「支援が必要な家庭」の子どもなど、障害・虐待の認定の有無にかかわらず特に配慮を要する子どもの受け入れ状況がどのようなものか実情把握のためのアンケートの実施を要望します。

 第2回委員会では、「市営保育所の今後の在り方に関する基本方針は民間保育所と市営保育所の現状認識が非常に甘いと感じます。もう一度、現状をきちんと把握認識してください」「民間園に申込みに行くと、重度のアレルギーや障害を理由として入所を拒否される例がある 」「9割の民間保育所から拒否された子どもたちが、たった1割の市営保育所で受け入れられているという現状を理解してください。このような対応に人手やコストがよりかかる子どもたちを、民間園がこれまで京都市が行ってきたように受け入れるでしょうか。」という意見が室町乳児保育所の保護者から出されていました。

 また、第6回委員会では、九条保育所の保護者から、「…アレルギー対応も含め、日頃の食事について親身になって相談にのってもらい、離乳期から幼児期にかけての大切な時期のかかわりを一緒にかかわってもらっていると感じています。また、疾病のある子どもに対する個別対応だけでなく、年度初め、調子の悪い時などに不適応を起こしたりする子どももいます。そのような時に丁寧に子どもの状態に合わせて対応してもらっています。さらに、卒園したきょうだいのことを含め、育児の全般の相談など保育士の先生方からサポートを受けた経験がある保護者が多いです。保育とは、共働き等で、家庭で育児できない親のための支援です。仕事で忙しくしている保護者が安心して、また保護者が仕事と家庭を両立させながら自信をもって育児していけるようサポートしてくれているのが市営保育所だと思います。そのようなかかわりを大切にしてもらいたいです」という意見が出されています。
吉祥院保育所の保護者からは、「保育所を選ぶ際に色々な保育所を回りましたが、最終的に市営保育所を選びました。理由として子供の食物アレルギーに対して民間の保育園に拒否されたからです。民間にないものを市営保育所はあります。もっと、子どもを育てる保護者の気持ち、子供の気持ちを考えてください。」という意見が出されています。

 しかしながら、いまだ委員会においてはこのような実情について、実態を把握しての審議がまったくなされていません。社会福祉審議会では障害児童(加配認定を受けている児童)の比率といった数字の提示のみで審議することなく「民間でも受け入れ可能」と結論を出されましたが、これは短絡であり説得力がありませんでした。委員会では保護者の意見を無視しないで早急に実態を把握した上で審議をされるよう要望いたします。

 保護者は、どのような子でも対応をしてくれるような保育を求めています。いろいろな子が選別されることなく入所でき、一緒に生活し、ともに成長していける点が、今の市営の良さです。これまで説明会では「民間移管によって保育の質を落とさない」という説明がなされてきました。その点で、今の市営に準じるくらいのレベルにある民間園が実際にあるのかどうなのか、また移管先としてそのような保育園を確実に選んでもらえるのか、といった不安や疑問を保護者が強く持っていることは委員会のみなさまも意見聴取をされてご存知のはずです。
保護者の抱いている不安や疑問に対して誠実に答えていただきたいと存じます。そうでなければ納得することはできません。これ以上子どもや保護者の実情や気持ちを軽んじないでください。これまでの性急なスケジュールをあらためていただき、公正で誠実な審議がなされることを切望してやみません。

 重ねて、市営保育所の保護者の立場から、アレルギーの子どもや「支援が必要な家庭」の子どもなど、障害・虐待の認定の有無にかかわらず特に配慮を要する子どもの受け入れ状況がどのようなものか実情把握のためのアンケートの実施を要望いたします。

委員のみなさま、および事務局のみなさまにおかれましては、京都市市民参加推進条例第3条第2項に則り、私たちの要望について、必ずご検討のうえ、誠実に応答され、市政に適切に反映させるよう努めていただけるものと存じます。
早急な対処をよろしくお願い申し上げます。