元suzakuhogosyaの日記

旧京都市営朱雀乳児保育所の元保護者のブログ

合研の分科会へのメッセージ

今日8/11の全国保育団体合同研究集会In神奈川の分科会に以下のメッセージの代読をお願いしました。フロア発言なので適当に短くなると思いますが。
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 私は民間移管の対象とされた京都市朱雀乳児保育所の保護者です。京都市は「財政難のため、保育士の平均勤続年数が市営より短く人件費が安い民間保育園に移管する」、つまり「保育士は若いうちに早く辞めるほうが人件費が安くすむのでよい」と理由で、昨年度末に朱雀・室町の2乳児保育所の廃止と移管を決め、現在は船岡乳児保育所、九条保育所吉祥院保育所の3市営保育所の移管先法人の公募をおこなっています。

これまで私たち移管対象保育所の保護者の声を聞き入れてもらえませんでした。
市長が保育所民間移管の審議を依頼した京都市社会福祉審議会「福祉施策のあり方検討専門分科会」での14回の審議では、一度も保護者の意見を表明する機会はありませんでした。
この分科会の最終意見を受けて策定された「市営保育所の今後のあり方に関する基本方針」の11頁には、「移管先法人の選定を行う際には,移管対象保育所に入所する保護者の意向も十分に踏まえることとします」とあります。しかし、昨年度第8回移管先選定等委員会で、京都市は、保護者の意向は「主観的」で「行政としての公平性を考えたときにバランスを欠く」として審査基準から切り捨てました。

実際、昨年度、市長が選定した朱雀・室町の2乳児保育所の移管先法人は、選定等委員会の審査では「保育内容」が24点中15点と11点と低く、0歳児保育をおこなっていない園や選定委員の一人からも「移管先にはふさわしくない」という意見がついた園でした。
現状の保育の継続を求める保護者の意向はまったく踏まえられなかったわけです。
さらに、今年度第2回選定等委員会では、保護者がせめて「審査基準の合格点」を設置してほしいと求めたところ、京都市は、「応募される法人が現に認可保育園を運営されているという中にあっては、総合的な評価が著しく悪いというところは基本的にはないと考えています」と拒否しました。これでは、たとえ選定等委員会がどんなに低い点数をつけても、市が認可した園なら「保育の質は担保されている」ということになり、いったい何のための「公募」と「審査」なのかわかりません。

このような保護者の意見・意向をないがしろにした民間移管のあり方はとても容認できるものではありません。このまま予算削減のためだけにどんどん市営保育所が廃止され民間移管されていくことは、より保育の質の向上を目指しておられる民間保育園にとってもけして良いことではないでしょう。これまでの市営保育所の「保育の良いところ」を維持し継承するための具体的な手立てを講じてほしいと思いますし、求めていこうと思います。